
専門性の高い
根管治療
「根管治療」は根の中をキレイにすることが目標です
言葉にすれば簡単そうですが
実際は結構むずかしいものです
だからこそ「根管治療」に特化した歯科医院があるのです
いまの治療に疑問を感じたら
お気軽にご相談ください

なぜ「根管治療」が必要なのでしょうか?
深いむし歯が歯の中の歯髄(一般的に神経と言われる部分です)に達すると炎症が起こり痛みが出ます。この痛みを取ることだけが根管治療の目標ではありません。
むし歯の痛みを我慢していれば、しばらくすると痛みを感じなくなることがあります。これはいわゆる「神経が死んだ」状態に陥るためです。「神経が死んだ」状態とは歯の中の歯髄への血流が途絶え、歯髄組織が生活状態を維持できなくなり、歯髄の中に存在する神経細胞も死んでしまいます。したがって歯髄内から痛みの信号を出すことができなくなり、痛みを感じなくなってしまいます。もちろん痛みがなくなったからといって治ったことにはなりません。
この状態が続けば、死んだ組織とむし歯から侵入した細菌が歯の中に留まることになり、歯の中で細菌培養しているような状況になります。増えた細菌は歯根の先にある孔(根尖孔)から滲み出し、周囲の顎骨に及ぶことになり、結果として歯根の先の顎骨の炎症である「根尖性歯周炎」という状況に陥ります。多くの方は歯の炎症は歯の内部だけで起こっていると思っているようですが、歯の外の組織にまで細菌感染が波及するという怖さを理解する必要があります。

根の先の顎骨の炎症である「根尖性歯周炎」は細菌感染が原因であることが1965年に報告されています(Oral Surg Oral Med Oral Pathol. 1965 Sep;20:340-9.)。
上の図はその研究の概要を示した模式図ですが、ラットの臼歯を削って歯髄を露出(露髄)させたまま食餌を与えて飼育しました。一方は特殊な環境で飼育した細菌を保有しない無菌ラットに無菌化した食餌を与えました。その結果、食餌が露髄部に詰まっていたものの歯髄には炎症は起こらず、失活(神経が死ぬ)せず根の先の顎骨も正常でした。他方、通常の環境で飼育した常在菌を保有するふつうのラットに殺菌を施していないふつうの食餌を与えたところ、歯髄に炎症が起こって失活し、根尖性歯周炎が発生していました。つまり、細菌が存在していなければ歯髄に炎症は発生しないということが証明されたことになります。
人間の口のなかには口腔内常在菌などの細菌が必ず存在します。もちろん食事も無菌ではありません。したがってむし歯が歯髄に達すると歯髄に炎症が起こり、それがさらに悪化して失活まで至れば根尖性歯周炎が発生することになります。
つまり、「根管治療」の第一の目標は「根管内の感染源(歯髄組織と細菌)を可及的に除去すること」であり、その目標が達成できれば「根尖性歯周炎」は発生しない、ということになります。
「根尖性歯周炎」とは

「根尖性歯周炎」は歯根内に存在する感染源によって引き起こされる顎骨の炎症ですが、何が起こっているのでしょうか。
まず、根管内の感染源が根尖孔(根の先のあな)から顎骨に及びます。それに対して体の免疫システムが作動し、感染源を排除する機能を持つ免疫細胞をここに集合させようとします。
免疫細胞は主に血管を介して集められるのですが、骨が存在することで免疫細胞を呼び寄せる場所が十分に確保できません。

顎骨に免疫細胞を集合させる手段として、骨吸収が引き起こされます。
破骨細胞という、通常は生理的な新陳代謝を継続するために古い骨を吸収していく(吸収した部分には骨芽細胞が新たな骨を作っていきます)働きをもつ細胞が急きょ呼び出され、ここにスペースを作るべく根尖(根の先)周囲の骨を吸収していきます(炎症性骨吸収)。
破骨細胞が作ったスペースは空洞になるわけではなく、そこには血管が豊富な軟組織である肉芽組織が形成されていきます。その肉芽組織内の血管を介して免疫細胞が集まり、感染源を排除すべく頑張ってくれるということになります。
このような根管内の感染源を起因として根尖に発生する炎症性骨吸収を「根尖生歯周炎」と呼びます。

「根尖性歯周炎」の進行により、根尖部の顎骨に骨がない部分が拡大していくことになります。
この根尖部の骨吸収は、レントゲン写真では「根の先の影」として見えることになります。
レントゲン写真は歯と骨をフィルムの方向に重ね合わせて平面として捉えることになります。X線が遮られずにたくさんフィルムに到達すれば画像は黒くなります。逆に金属や骨などに遮られてフィルムに少ししか到達しなければ画像は白くなります。つまりフィルムに到達したX線の量によって白黒の濃淡が発生することになります。
根尖性歯周炎によって発生した骨吸収により、その部分は周囲よりも骨の厚みが薄いことになります。したがって周囲よりもX線が透過しやすくなってフィルムに多く届くことで、周囲よりも黒く写ることになります。
これが「根の先の影」が見えるようになるメカニズムです。

「根尖性歯周炎」を治すための処置を「感染根管治療」と呼びます。
根尖病変の原因は根管内に存在する感染源ですので、それを除去すれば根尖孔から感染源が出なくなるため、骨吸収を維持する必要がなくなります。そこに骨が再生されることになり、結果として「根の先の影」が消失して周囲と同じような白さに戻ります。

「根尖性歯周炎」の治癒についていまいち理解しにくいかもしれません。
たとえば指にできた傷が汚れたままになっていると膿んでしまいますが、消毒して清潔にしておけば徐々に皮膚が治っていきます。一旦膿んでしまったとしてもよほどひどくない限り、やはり消毒して清潔にしておけば時間はかかるかもしれませんが治っていきます。
「根尖性歯周炎」の治癒も、皮膚で起こっているような治癒のメカニズムが骨で起こっていると置き換えて考えれば、場所が皮膚か骨かの違いだけであって、特殊でないことは理解できるでしょう。
しかし皮膚と違い、骨折が短期間で治らないように、骨は簡単には回復しません。したがって「感染根管治療」がうまくいったとしてもすぐに骨が回復するわけではなく、「根の先の影」は徐々に縮小するものの数ヶ月しないと消失には至りません。
なぜ、根管治療が成功しないのか?
答えは簡単、「キレイになっていない」から
口の中、唾液には細菌が存在します
それなのに
・唾液が歯に触れてしまうような環境で処置している
・「膿を出す」と称してキチンと蓋をしない
・蓋をしていないのに途中で口をすすがせる
それで、根の中がキレイになると思いますか?


「何回か治療したのに改善しない」ということで受診された症例です
来院時は蓋がない状態で
根の中に汚れや歯垢が大量に付着していました
初めての根管治療
その歯に対して初めて行われる根管治療は
再根管治療(根管治療のやり直し)に比べて成功率が高いという報告があります
つまり、「やり直し」ではうまくいかない可能性が高くなります
また、「やり直し」に伴い、歯もさらに削ることになります
大事なのは「初めての根管治療」
「ダメになってから」では遅い
最初が肝心です
症例画像をクリックすると詳細が示されます
症例によっては対応困難な場合もあります。また、100%の成功を保証するものでもありません。
根管治療のやり直し
「何回も治療しているが良くならない…」
「以前治療した歯に症状が出てきてしまった…」
おそらく、同じような治療を繰り返しても良くはならないでしょう
「なぜ、失敗したのか」を十分検討し、
改善策を見出す必要があります
「とりあえず、やり直してみましょう」
の前に、当院で相談してみませんか
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トラブル症例
単にうまくいかなかった、というだけでなく
「誤って穴があけられてしまった」
「器具が折れてしまった」
といったケースもあります
なんでもリカバーできるというわけではありませんが
困ったときは気軽にご相談ください
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